2012-02-22

The Postmarks『Postmarks』(2007)

昨日のマーゴ・ガーヤンの記事を書くにあたってふと紙ジャケの帯を見たら「窓ジャケにハズレなし!」という堂々たる宣言文が。本当のところどうなのかよくわかりませんが、EMI、BMG、ユニバーサル、ソニーの4社による合同再発企画ジャケガイノススメシリーズ第3弾ということで、まあこれは今日の投稿にはまったく関係のない話なのだが、窓ジャケでふと思い浮かんだのが、マイアミ出身の3人組、ザ・ポストマークスの1stアルバムなのだった。ウィスパー・ヴォイスつながりということもあって今日はぜひとも紹介したく思います。


ザ・ポストマークスは男性2人に女性1人の3人組によるインディーズバンドで、紅一点のボーカルはティムという男の子の名前を持った可愛らしい女の子。そう、例の窓ジャケでガラス越しにアンニュイなポーズを決めているのが彼女で、彼女のウィスパー・ヴォイスがもう絶品なのです。彼らは2007年にアルバム『postmarks』でデビューしましたが、tahiti80、James Iha、Brookvilleという錚々たるメンバーが名を連ねたリミックス音源が出たことからもわかるように、どこか大物になりそうな予感はデビュー当時からあったようです。

不思議なのはマイアミ出身のグループなのに、初めて聴いたときはフランス・ギャルの時代へタイムスリップしたような錯覚をおぼえたこと。ボーカルの舌足らずのようなつたない歌い方はフレンチ・ポップを聴いているような感じなのに、キュートな女性ボーカルにしては珍しく底抜けに明るい印象の楽曲がまるで見当たらない。なぜならティム嬢のボーカルは低音が素晴らしいからだと気付かされる。上品でシックに歌い上げたかと思えば、低音部のウィスパー・ヴォイスはさらにも増して幼さを感じさせるのですが、ノスタルジックだけれど決して感傷に浸るだけでは終わらせない独特のイメージをこのバンドにもたらしているようです。彼女の歌声がメランコリックな曲調に重なるとどこか北欧の風を感じさせるような雰囲気でもあり、このウィスパー・ヴォイスはほんとうに魅力的!「消印」というバンド名にも胸がときめく。




ザ・ポストマークス
ザ・ポストマークス
posted with amazlet at 12.02.23
ザ・ポストマークス
ビクターエンタテインメント (2007-05-23)

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